Kaleidoxでは、実用的に利用できるアクション言語としてXML, HTML, JSON, CSV, Excelといったクラウドアプリケーションで使用する各種データ形式を簡単に扱えるようになっています。
前回はこの中でXMLの操作方法について紹介しました。
今回はHTMLの操作方法について紹介します。
HTMLリテラル
HTMLは元々SGMLベースですが、XMLベースのXHTMLもあります。
XHTMLのみを対象にするとXML処理的には楽ですが、実際のところはSGMLベースのHTMLが主流なのでこちらの方も扱えないといけません。
Kaleidoxでは、SGMLベース、XMLベースのどちらのHTMLもHTMLデータとして扱い、内部的にはDOMで操作しています。
まず以下のHTML文書を考えます。XML的な観点ではすこしブロークンですが、このような形のタグ構造も扱える必要があります。
<b>HTML文書
HTMLリテラルは、文字列リテラルのプレフィックスにHTMLをつけたものになります。
kaleidox> html"""<b>HTML文書""" <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><b>HTML文書\n</b></b...
showコマンドを使うとHTML全体を表示することができます。
kaleidox> :show SHtml: <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><b>HTML文書 </b></body></html>
元のHTMLの内容はB要素のみのHTMLの断片ですが、読み込み時にはHTML要素から始まる本格的なHTML文書になっています。これは、HTMLに対するXSLTなどの処理が統一的に行えるように必要な情報を補完しているためです。
ファイル
ファイルに格納されているHTMLは、URIを指定して取り込むことができます。
kaleidox> file:sample.html <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><b>HTML文書\n</b></b... kaleidox> :show SHtml: <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><b>HTML文書 </b></body></html>
XPath
HTMLに対してもXMLと同様にXPathによるアクセスを行うことができます。
まず、HTML文書を読み込みます。
kaleidox> file:sample.html <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><b>HTML文書\n</b></b...
HTML文書がスタックに積まれたので、これに対してXPath「htmlbody/b」を適用します。
kaleidox> /html/body/b "HTML文書\n"
XPathを適用の結果、B要素の内容である「HTML文書」を取り出すことができました。
XPathの式の直後にHTMLファイルを指定しても同じ結果を得ることができます。
kaleidox> /html/body/b file:sample.html "HTML文書\n"
XSLT
HTMLに対してもXMLと同様にXSLTによる変換を行うことができます。
XSLTに使用するXSL文書として以下のものを用意しました。
HTML文書の一部を変更する目的の典型的なXSL文書です。ここではB要素をI要素に変換するXSL文書になっています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <xsl:stylesheet xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version="1.0"> <xsl:template match="b"> <i><xsl:value-of select="."/></i> </xsl:template> <xsl:template match="node()|@*"> <xsl:copy> <xsl:apply-templates select="node()|@*"/> </xsl:copy> </xsl:template> </xsl:stylesheet>
それではXSL文書をHTMLに適用してみましょう。
XSLT文書のファイル名の後ろにHTML文書名を指定します。すると内部的にはxslt関数が実行され、XSLT変換が行われます。
kaleidox> file:sample.xsl file:sample.html <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><i>HTML文書\n</i></b...
実行結果のHTML文書をshowコマンドで表示すると以下のようになりました。無事B要素がI要素に変換されています。
kaleidox> :show SHtml: <html><head xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"/><body><i>HTML文書 </i></body></html>
スクレイピング
KaleidoxはHTML文書内の表データを抽出する機能を提供しています。
まず表を記述したHTML文書を用意します。
<html> <head> <title>表サンプル</title> </head> <body> <p>表のサンプルです</p> <table> <thead> <tr><th>A</th><th>B</th></tr> </thead> <tbody> <tr><td>1</td><td>11</td></tr> <tr><td>2</td><td>12</td></tr> <tr><td>3</td><td>13</td></tr> </tbody> </table> </body> </html>
このHTML文書に対してtable-make関数を適用します。
kaleidox> table-make file:table.html Table[2x3]
その結果、幅2、高さ3の表を得ることができました。
この表の内容をshowコマンドで表示すると以下になります。無事HTMLの表の内容を取得できています。
kaleidox> :show:print ┏━┯━━┓ ┃A│B ┃ ┣━┿━━┫ ┃1│11┃ ┠─┼──┨ ┃2│12┃ ┠─┼──┨ ┃3│13┃ ┗━┷━━┛
まとめ
今回はXMLの操作について説明しました。
次回はJSONの操作方法についてみていく予定です。
諸元
- Kaleidox : 0.1.4