g3では、RDBMSとKVSの両方に統一的にアクセスできるデータストアAPIを用意しています。
当面の目標は、同一のg3アプリケーションがJDBCとGoogle AppEngine Data Storeのどちらでも動作するようにすることです。
基本的には、Google AppEngineのデータストアを基準に、RDBMSにも対応するというアプローチのAPIになっています。Google AppEngineデータストアはかなり制約がきついので、これを基準にしておけば、将来、他のKVSあるいはNoSQLをサポートすることも比較的容易にできるのではと考えています。
org.goldenport.g3.app.DataStoreCrudは、データストアをアクセスするサンプルアプリケーションです。 このアプリケーションに沿ってデータストアの使い方についてみていきましょう。
package org.goldenport.g3.app import org.goldenport.g3._ import org.goldenport.g3.atom._ import org.goldenport.g3.messages._ import org.goldenport.g3.messages.datastore.{Create, Fetch, Query, Insert, \ Update, Delete, Drop} class DataStoreCrud extends G3Application with UseRecord { val KIND_NAME = 'g3crud val schema = Schema( IdField, ('name, XToken), ('zip, XToken), ('address, XString), ('phone, XToken, ZeroMore), ('comment, XString)) datastore('appds) val create = Create(KIND_NAME, schema) val fetch = Fetch(KIND_NAME, 5) val query = Query(KIND_NAME, Id(5)) val insert = Insert( KIND_NAME, Record('id -> 5, 'name -> "Yamada Taro", 'zip -> "1234567", 'address -> "Yokohama", 'phone -> "0451234567", 'comment -> "omlet rice")) val update = Update( KIND_NAME, Record('id -> 5, 'name -> "Suzuki Hanako")) val delete = Delete(KIND_NAME, Record('id -> 5)) val drop = Drop(KIND_NAME) port("/create") agents(create) invoke("appds") port("/fetch") agents(fetch) invoke("appds") port("/query") agents(query) invoke("appds") port("/insert") agents(insert) invoke("appds") port("/update") agents(update) invoke("appds") port("/delete") agents(delete) invoke("appds") port("/drop") agents(drop) invoke("appds") }
カインド
g3では、レコードの集りをカインドと呼んでいます。RDBMSのテーブル、Google AppEngineデータストアのカインドに対応します。
DataStoreCrudでは、データストアのカインド名としてg3curdを使用します。変数KIND_NAMEに設定しており、この変数を、プログラムの中で利用します。
val KIND_NAME = 'g3crud
スキーマ
DataStoreCrudで使用するスキーマは、以下のようにスキーマは、Schemaリテラルで定義したものを変数schemaに設定しています。この変数schemaに設定したスキーマを、プログラムの中で利用します。
val schema = Schema( IdField, ('name, XToken), ('zip, XToken), ('address, XString), ('phone, XToken, ZeroMore), ('comment, XString))
スキーマでは、カインドの各フィールドに対して、フィールド名とデータ型の対を定義します。たとえば、「('name, XToken)」はXToken型のフィールドnameということです。
データ型はXML Datatypeをベースにしたものをg3フレームワークで事前定義しています。
フィールドは、フィールド名とデータ型の他に多重度、制約、ファセット、プロパティを設定する事ができます。ファセットはXML Datatypeのファセットに対応するもので、データの値域を定義します。制約との棲み分けは懸案事項で将来統廃合するかもしれません。プロパティは、SQLデータ型のVARCHARといったデータストア固有の情報を定義します。
IdFieldは、Id用のフィールドを宣言するためのリテラルです。中身は「'id, XLong, One, List(CId), Nil」となっており、フィールド名「id」、データ型XLong、多重度1、Id制約あり、プロパティなし、を簡単に設定するための文法糖衣です。
以下、明日に続きます。
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