ここまで以下の順にマインドマップモデリングの基盤技術について説明してきました。
- MindmapModelingと集合知 :: セッションについて
- ユビキタス言語 :: オブジェクト指向モデルとユビキタス言語
- 日本語とモデルとプログラム :: ユビキタス言語で日本語とモデルとプログラムをつなぐ
- 関係 :: マインドマップモデリングで使用する「関係(relationship)」
- SVOで考える :: SVOとイベントの導入
- メタモデル :: マインドマップモデリングの土台となるメタモデル
- クラウド拡張 :: メタモデルのクラウド・アプリケーション向け拡張
ユビキタス言語をハブとして、日本語とモデルとプログラムをつなぐわけですが、その実現技術としてマインドマップを用いるのがマインドマップモデリングというわけです。
マインドマップモデリングのメリット
通常、マインドマップは非定形の情報を記述しますが、ここまで説明してきたようにマインドマップモデリングではオブジェクト指向技術と連携できるメタモデルを持っており、このメタモデルの枠組みの上でモデルを構築していきます。
一見、同様のことはUMLでもできそうですが、以下の理由によりマインドマップを用いたほうがはるかに便利というのが経験則です。
- UMLの文法を覚えるのが大変。UMLは文法を覚えないと何も描けない。さらにUMLのモデルとして基本文法に加えてアプリケーション用のプロファイルも覚える必要がある。マインドマップモデリングでは、文法をうろ覚えでもとりあえずそれなりのものを描くことができる。
- マインドマップモデリングではモデル全体の一覧性が高い。
- エディタ(XMind)がUMLエディタよりも簡単に使える。UMLエディタではプロパティシートの呼出しなど煩雑な処理が必要になる。
以上のメリットがあるので、モデリング初学者向けの教育や、顧客との文脈共有のためのブレインストーミングに有効です。
マインドマップモデリングの例
マインドマップモデリングの例として横浜モデリング勉強会で行ったMindmapModeling「LCCがもたらしたのは、価格破壊だけではない」のマインドマップモデルが以下です。横浜モデリング勉強会では、「雑誌記事から情報システムの企画書、提案書、RFPの元ネタとなるモデルを作成する」という趣旨で雑誌記事からマインドマップを作成するワークショップ形式の勉強会です。(ワークショップの進め方 (2012-06-16版))
このモデルは、日本語の情報としても本文の内容をうまく整理できていると思いますが、ユビキタス言語としてオブジェクト指向モデルと連続性がある点がさらに重要です。
これは、SimpleModelerを用いてクラス図を生成することで確認することができます。
上記のマインドマップモデルから生成したクラス図は以下になります。
SimpleModelerでは、クラス図だけでなくJavaクラスやAndroidアプリケーション、Ext-JS&Playアプリケーションの生成も行うことができます。つまり、ユビキタス言語からプログラムの自動生成する、モデル駆動開発を行うことができるわけです。
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