2012年12月17日月曜日

MindmapModeling「チャネルの多様化で難題と化す予算の最適配分」

12月15日(土)に横浜モデリング勉強会(facebook group)を行いました。また、会場には(株)アットウェア様の会議室をお借りしました。参加された皆さん、アットウェア様、どうもありがとうございました。

この勉強会で、浅海が作成したモデルを紹介します。モデルはMindmapModelingの手法で作成しました。(勉強会で使用したチュートリアル)

ワークショップの流れ

モデリング勉強会はワークショップ形式で以下の作業を行います。

  • 雑誌記事から情報システムの企画書、提案書、RFPの元ネタとなるモデルを作成する。

その上で、「要求仕様確認、実装可能性確認、開発のベースとなるプログラムを自動生成するモデルを目指」します。詳細は「ワークショップの進め方 第2版」になります。

テーマ

モデリングの対象は、日経ビジネス誌の記事「チャネルの多様化で難題と化す予算の最適配分」です。

用語の収集と整理

まず用語の収集と整理します。

MindmapModelingに慣れてくると、用語がだいたいどこの枝に収まるのかわかるようになるので、用語を拾いながらラフなモデルを作っていきます。




今回の記事は、広告の効果を計測するメカニズム的なことが多く書かれていたので、このあたりを規則と登場人物を中心に分類しました。

クラス図

この段階でのマインドマップをSimpleModelerでクラス図化したものが以下になります。




いくつかモデルの島ができていますが、全体としてはまだばらばらです。

物語

次の作業は「物語」です。

モデルは中心軸がないと単なる「用語」の集りなのでまとまりがでてきません。何らかの目的を実現するための構造を抽出したいわけですが、この「目的」と「目的を実現するための構造」を掬いとるためのツールとして有効なのが「物語」です。オブジェクト・モデリングの概念ではビジネス・ユースケースということになります。

「物語」を中心軸と定め、「物語」のスコープで用語を取捨選択、組織化し、足りない用語を補っていきます。

その手順は:

  1. 物語の名前をつける。目的(goal)が明確になる名前がよい。
  2. 物語の主人公、相手役、脇役などの登場人物を定める。
  3. 物語で使用する道具を定める。
  4. 出来事または脚本の列として脚本を記述する。

となります。2の登場人物と3の道具は最初から完全なものはできないので暫定的なものを定め、4の脚本の作業を通して洗練させていきます。




「物語」として、「広告予算編成を最適化する」を設定し、この「物語」の作成を軸に、「出来事」の整理、「道具」の整理を進めました。

物語「広告予算編成を最適化する」は以下の出来事による脚本から構成されます。

  • マーケッティング施策を実行する
  • マーケッティング施策の結果を計測する
  • マーケッティング施策の結果を分析する
  • 予算配分する

さらに、各出来事を詳細化して、規則や道具を結びつけていきます。

今回の記事は内容がかなり絞りこまれていたので、モデリングの方向を問題領域の世界を記述するというよりシステム化を指向した詳細なモデルを記述するようにしてみました。

クラス図

この段階でのマインドマップをSimpleModelerでクラス図化したものが以下になります。




かなりクラス図らしくなってきました。ビジネス・ユースケース→イベント→アクター+リソースの流れが分かりやすく可視化されています。

ここまでの作業で時間切れとなりました。

ちょっと洗練

時間内に作ったマインドマップモデル+クラス図はSimpleModelerの機能不足もあって、出来事から規則に続く流れがクラス図上に表示できませんでした。

そこで、SimpleModelerに機能追加を行いながら、この点の記述の精度を上げたモデルが以下のものです。




クラス図

クラス図は以下になります。




SimpleModelingではアルゴリズムを記述するためのモデルとして、規則に加えてサービスを持っていますが、今回このサービスをマインドマップモデルでも使ってみました。

SimpleModelerで出来事から規則およびサービスへの関係は依存性(dependency)として記述しています。

ノート

オブジェクト・モデリングの鍵の一つは、静的構造を記述するドメイン・モデル(クラス図)と動的モデルをどのように関連付けていくのかという点です。

SimpleModelingでは、イベント(出来事)を起点にルールやサービスを呼び出すという点を軸の一つにしています。今回はよい機会なのでSimpleModelerにこのあたりの機能を追加してMindmapModelingからクラス図の生成の処理に盛りこんでみました。

具体的な記述方法、使い方は追々ブログで紹介していきたいと思います。

次回

次回はまだ確定していませんが1月19日(土)を予定しています。

詳細情報はfacebookグループ「横浜モデリング勉強会」を参照してください。

今回と同じく「ワークショップの進め方 第2版」の手順で、「雑誌記事から情報システムの企画書、提案書、RFPの元ネタとなるモデルを作成する」を行う予定です。

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