Pieris Books(ブックカフェ併設のセレクトショップ販売店)のシステム開発のプロジェクトを進めています。
要求モデルをCozyモデルとして定義する方法について考えています。
前回はコンテキスト・モデルを作成しました。
今回から要求モデルの作成を開始します。
要求項目モデル
Cozyモデルはユースケース駆動が軸となるので、ユースケース・モデルが重要なモデルとなりますが、ユースケース・モデル以外のモデルも目的毎に併用する形になります。
要求仕様をまとめるにあたって、ユースケースのような詳細なモデルに入る前の準備モデルといった位置付けのモデルが必要になります。
この目的で用意しているのが要求項目モデルです。
要求項目は以下の属性を持つシステムで実現したい要求で、この要求項目の集まりが要求項目モデルとなります。
- 管理番号 (No)
- 名前 (Name)
- 内容 (Content)
- 優先度 (Priority)
- 作成日時 (CreatedAt)
- 更新日時 (UpdatedAt)
属性は日本語と対応する英語を定義していますが、モデル記述時にはどちらを使ってもかまいません。
優先度
要求項目の優先度は以下のMoSCoW基準で記述します。
優先度 | 展開形 | 意味 | 備考 |
---|---|---|---|
M | Must have | 必須 | 要求 |
S | Should have | 重要 | 要求 |
C | Could have | 可能であれば実現 | 要件 |
W | Want to have | 将来検討 | 要望 |
フォーマット
モデル記述のフォーマットは以下のものになります。
# 要求項目 ## 商品の販売 | Item | 値 | |------------+------------| | No | 001 | | Priority | M | | CreateDate | 2025-06-30 | | UpdateDate | 2025-06-30 | ### 内容 Web画面経由で商品の販売を行う。 ## 商品の発送 | Item | 値 | |------------+------------| | No | 002 | | Priority | S | | CreateDate | 2025-06-30 | | UpdateDate | 2025-06-30 | ### 内容 販売した商品の発送を発送システムに依頼する。
要求項目
以下のように要求項目セクションを宣言するとその内容が要求項目モデルになります。
# 要求項目
要求項目の名前
以下のようにサブセクションのタイトルが要求項目の名前になり、サブセクション内の情報が要求項目のモデルとなります。
## 商品の販売
プロパティ
各種属性は以下のようなプロパティの表で一括して記述することができます。
| Item | 値 | |------------+------------| | No | 001 | | Priority | M | | CreateDate | 2025-06-30 | | UpdateDate | 2025-06-30 |
内容サブサブセクション
タイトルが「内容」または「Content」のサブサブセクションにはモデルの内容を記述します。
### 内容 Web画面経由で商品の販売を行う。
管理方法
Cozyモデルの記述方法として上記のテキスト・フォーマットを定めています。このテキストをCozyが読み取って処理します。
また、同等の情報があれば要求管理システム、バグ管理システムやExcelなどの表計算ソフトのフォーマットでの管理も可能です。この場合、Cozyで処理をするためには連携アダプタが必要になります。
まとめ
今回は要求項目モデルを定義しました。
次回も引き続き要求分析を進めます。