「ブックカフェ併設のセレクトショップ販売店」のシステム開発のプロジェクトを進めています。
現在はビジネス・モデルの作成中で以下のモデルを定義してきました。
- ビジネス・ビジョン
- ビジネス・ゴール
今回はビジネス・コンテキスト図を作成します。
「ブックカフェ併設のセレクトショップ販売店」の名前をPieris Booksとします。
ビジネス・コンテキスト図
Pieris Booksのビジネス文脈を以下の観点からビジネス・コンテキスト図で記述します。
- ビジネスの境界を定める
- サービス利用者
- サービス提供者
- 使用する外部サービス
このビジネス・コンテキスト図はシステム開発のためのビジネス文脈を明確にするために、ビジネス・オーナーにヒアリングしながら開発側で作成しものです。抜けなどがある可能性はありますが、まずは起点となる土台を明確化する目的です。開発中に抜けなどが分かれば、随時追加していく想定です。
この結果作成したビジネス・コンテキスト図は以下になります。
ビジネス境界
ビジネス境界として、ビジネス・システムPierisBooksを作成しました。ステレオタイプにbusinessを設定しています。
ビジネス・システムPierisBooks内に以下の3つのビジネス・サブシステムを定義しました。
- EC
- 店舗
- 在庫管理
PierisBooksに関係する各種アクターを定義しています。
サービス利用者
PierisBooksのサービス利用者は以下の2つのアクターです。
- EC利用者
- 店舗利用者
利用者に対してECの口と実店舗の口を持っているので、それぞれの利用者をアクターとして記述しました。
EC利用者と店舗利用者が同じケースもあると思いますが、そのあたりのモデリングは後のフェーズで行う予定です。ここでは、ビジネス・システムの文脈がざっくりつかむことを優先しています。
サービス提供者
PierisBooksのサービス提供者は以下の3つのアクターです。
- 店舗運営者
- 販売管理者
- システム管理者
PierisBooksの運営・管理を行うロールですが、ビジネスのレイヤーによってさまざまなロールがあります。
店舗運営者はビジネス上の店舗運営を行います。販売管理者は商品の管理などを行います。
システム管理者はビジネスとは距離をおいた形でITシステムの管理を行います。
使用する外部サービス
PierisBooksが使用する外部サービスは以下の3つのアクターとしてモデル化しました。
- 外部ECサービス
- 決済サービス
- 配送サービス
PierisBooksでは商品のショーケースとしての運営を行います。このため利用者が商品の購入を考えた場合には、PierisBooksのシステムを経由して外部ECサービスに販売・配送を依頼します。
決済サービスは店舗に在庫があった場合のECや店舗での購入で使用する想定です。
配送サービスは店舗在庫の配送を依頼します。
外部ECサービスと決済サービス、配送サービスは一部機能が重なるのでケース・バイ・ケースで使い分けることになるでしょう。このあたりの具体的な処理は今後のモデリングで考えていくことにします。
用語集
ビジネス・コンテキスト図に登場する用語をまとめて用語集を作成します。
種別には以下のものが入ります。
- BS
- Business System
- BA
- Business Actor
用語 | 種別 | 意味 |
---|---|---|
Pieris Books | BS | Pieris Booksビジネス全体 |
EC | BS | Pieris BooksのEC機能 |
店舗 | BS | Pieris Booksの実店舗 |
在庫管理 | BS | 実店舗での在庫管理 |
EC利用者 | BA | ECサイトの利用者 |
店舗利用者 | BA | 店舗の利用者 |
外部ECサービス | BA | 見本品を購入する際に使用する外部のECサービス |
決済サービス | BA | ECまたは店舗での商品販売に使用する決済サービス |
配送サービス | BA | ECでの商品販売を依頼する配送サービス |
店舗運営者 | BA | ビジネス上の店舗運営を行う |
販売管理者 | BA | 店舗での商品管理などを行う |
システム管理者 | BA | Pieris BooksのITシステムの管理を行う |
まとめ
今回はビジネス・コンテキスト図のたたき台を作成しました。
次回は、ビジネス・コンテキストをCozyで取り扱う方法について考えます。