前回はプロジェクトのターゲットとなるビジネスとして「ブックカフェ併設のセレクトショップ販売店」そのビジネス・ビジョンを定義しました。
今回はビジネス・ゴールを定義します。
背景
ビジネス・ゴールを考える上で難しいのが本開発におけるビジネス・オーナーの立ち位置です。
本開発のビジネス・オーナーだあるブックカフェオーナーはITには疎く、本開発ではA君がヒアリングしながらビジネス・モデルを作成しています。このため、大企業のCEOが作成するような詳細なビジネス・モデルを作成して、これをベースにソフトウェア開発を進めるということは考えられません。
ここではソフトウェア開発に必要な指針レベルのざっくりしたものを、あまり時間をかけずに作成する 方針にしましょう。
また現段階では、ソフトウェア開発のフェーズはインセプション・フェーズなので、まずはたたき台レベルのビジネス・モデルにしておいて先を進めることを優先するのも合理的です。
アプローチ
前回挙げた開発システム概要をまとめると以下になります。
- 新刊・古本の販売も行うブックカフェだったが、新しくアクセサリーや日用品のセレクト商品販売を併設することになった
- このセレクト商品は見本品の展示を基本と考えており、見本品に対してECでオーダをする方式
- 見本品はECサイトでの販売も行う
- 見本品中心ではあるが小型の品は少量の在庫を持って即時販売も可能
この情報を元にビジネス・ゴールを考えていきましょう。
KGI/KPI
ビジネス・ゴールを考える上で重要な概念がKGIとKPIです。
- KGI : Key Goal Indicator
- KPI : Key Performance Indicator
KGIはビジネス上のゴールとなる指標で、売上高や粗利益といった会計などを中心とした目標を使うのが一般的です。
ただ、売上高や粗利益といった大きな枠組みの目標では、日々のビジネス活動に直接当てはめることは難しいので、中間目標としてビジネスのパフォーマンスの指標であるKPIを導入します。
つまり一つのKGIに対して、KGIを達成するための中間目標であるKPIが複数存在するという親子関係になります。
本来はこのKGI/KPIをビジネス・ゴールに盛り込みたいところです。
ただ、ビジネス・オーナーはもちろん最終的な収益には関心がありますが、KGIやKPIといったような指標化にはあまり興味がないようです。まだインセプション・フェーズでもあるので、システムが動作して大まかな状況が見えてくるまでKGI/KPIについては保留にすることにします。
ビジネス・ゴール
今回は作業を進めるためにざっくりという方針で以下のビジネス・ゴールにしてみました。
- ブックカフェにセレクト商品販売を併設 - セレクト商品は(1)店舗在庫あるものは直接販売、(2)店舗在庫のないものはECで販売、(3)WebのECサイトでEC販売
ビジネス・ゴールはMarkdown形式で記述しています。前回挙げた開発システム概要をまとめたレベルのものですが、まずはここからざっくり始めたいと思います。
保存
ビジネス・ゴールは src/main/cozy/business 配下に goal.md として格納します。
まとめ
今回は開発システム概要を元にビジネス・ゴールを作成しました。本来はビジネス・オーナーが作成するのが理想ですが、システム開発を進めるためにビジネス・オーナーにヒアリングしながら開発側で作成したものになっています。
次回もビジネス・モデルの作成を続けます。
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