今回のセッションは、社会科学を中心に、工学、理学の知見を集約してクラウド時代の「集合知」に対してアプローチしている集まり、でのものになります。
ソフトウェア開発でのモデリングは、日本語(自然言語)の情報から必要な情報を抽出、再構成してプログラムに落とし込むためのモデルを構築するものですから、この文脈の中で日本語(自然言語)をどう扱っていくのかという点は常に関心を持っていました。
その成果物として、ユビキタス言語をハブに「固いモデル」と「柔らかいモデル」を統合したSmartDox DSLをつくってみたわけです。
最近、読み返してみた『Enterprise Patterns and MDA』に「literate modeling」というコンセプトが載っていましたが、SmartDox DSLの目指すところはまさにこのliterate modelingということになると思います。
ボク自身は「集合知」といったものは全くの門外漢なので、直接その話題を取り上げることはありませんが、日本語とモデルとプログラムを結びつけるユビキタス言語としてのSmartDox DSLが何かのヒントにしていただけるかもしれないということで、この点を中心の話題にする予定です。
オントロジー
マインドマップモデリングは、wakhokでの教育用に考案したものですが、このメタモデルの設計にあたっては、日本語を扱う技術ということもあり、参考のためにオントロジーの文献もあたってみました。オントロジーの分野も門外漢なので、どの本が定番かよく分からないのですが、MDAや企業システムのモデル化という観点で以下の本を入手しました。
マインドマップモデリングは、最終的にOOPに落とし込むのが目的なので、できるだけOOPのセマンティクスの範囲でメタモデルを設計しています。そういう意味で、上記の本によるオントロジーは汎用的すぎて、目的には合わないと判断して初期の段階で参考資料からは落としました。
ただ、Mindmap DSLやSmartDox DSLといった形で、ユビキタス言語ベースのモデル記述DSLとそのメタモデルが形になってくると、このメタモデルのインスタンスであるモデル、このモデルのインスタンスであるデータは、ある意味ソフトウェア開発という文脈での意味のグラフと考えることができるかもしれないと感じています。そういう観点から、オントロジーの技術を導入して、なにか面白いことができるかもという期待もあります。
たとえば、「柔らかいモデル」の部分になる自然言語による記述に対してオントロジーな処理を施して意味を抽出し、「固いモデル」との整合性をチェック、は難しいかもしれませんが、レビューの元ネタぐらいはつくれないかな、とかそういう方向での応用です。
クラウド・プラットフォーム上での「集合知」の扱いがオントロジーと関係が出てくるのかそうでないのかも当日にならないと分かりませんが、そういった点も含めてこのあたりの技術動向についての知見を得ることができればと期待しています。
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