話のそれついでにコラボレーションに関連するモデリング上の話題を続けます。
コラボレーションの導入はコードの自動生成が重要な目的です。
コード生成を行うためには、模型的な意味で図形が配置されているだけでは情報量は不十分で、より詳細な情報を記述しなければなりません。
このような情報の一つに前回の記事で説明した「ドメインルールはTemplateMethodの骨組みのスロットに差し込む拡張部。アプリケーションの構成定義画面でパラメタの変更が可能」といったものがあります。
つまり、ドメインルールのところで、カスタマイズが可能なわけですが、コラボレーション側でもカスタマイズが必要な場合があります。
この目的に、UML標準部品である拡張点(extension point)を用いることができます。拡張点は(通常はユースケースに使うのですが)コラボレーションのインタラクションの一部を拡張するためのスロット的なポイントです。拡張点名を記述し、それに対する具体的な拡張のコラボレーションを拡張(extend)関係で記述します。
拡張点を用いて、コラボレーションイベント監視タスク起票のより詳細な情報を記述した図が以下のものです。
コラボレーションイベント監視タスク起票は、拡張点イベント監視を持っており、ここに拡張を実現するコラボレーションとしてコラボレーション注目発言拡張を指定しているので、注目発言を監視するコラボレーションとして動作する、というわけです。(補足ですが、この図の趣旨からは、注目発言ピックアップの対象がTwetterとなっているのは、DoainRule注目発言ピックアップの設定、ということになります。
この他にもコラボレーションをカスタマイズするメカニズムとしてステレオタイプ、タグ付き値を使用することができます。
UMLでカスタマイズを記述するとこの図のような形になるわけですが、これでは情報が不足ではないか、と思われるかもしれません。
実際のところ、その通りで、本当にコードの自動生成を行うということであれば、相当量の情報をタグ付き値などを使って設定しなければなりません。
つまるところ、UMLでモデルを記述する場合でも、結局のところ情報の過半数はテキスト情報として入力しなければならないわけです。そうであれば、始めからテキスト形式の言語で記述したほうがよい、というのがSimpleModelerのアプローチです。
テキスト情報から、上記の図レベルのものはプログラムで生成することが可能です。どのコラボレーションにどのような拡張点があるのか、といった情報をざっくり見るにはツールが生成した図を見れば十分であり、わざわざモデリング時に手で入力する必要はないわけです。
SimpleModelerでは、コラボレーションとドメインルールによって、アプリケーションの振舞いのプレースホルダーを記述し、ここから実行フレームワーク上で動作するコード(フレームワークの設定情報になるかもしれない)を生成するという方向で、アプリケーションの振舞いをコードに落とすことを考えています。
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